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アメリカン・タブロイド〈下〉 (文春文庫)

James Ellroy
田村 義進

文藝春秋

グループ:Book

ランキング:245817

価格:¥ 700

発売日:2001-10

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カスタマーレビュー

ケネディまでは建前は建前として通用したんだぜ、  (2007-05-28)
次に該当するような読者はこの本だけは読まないほうがいいです、ケネディ大統領が大好きで彼と彼の背後に広がる明るそうなアメリカの印象を大切にしたい人、いまだにベトナム戦争がアメリカの大きな汚点だと思っている人、共和党嫌いで民主党支持者の人、何がなんでもアンチ自民党の人、いまでも共産主義に夢を抱いてる人、まだがんばってるカストロ議長に声援を送っている人、暴力が大嫌いで自分自身では平和にも治安維持にもいっさい努力したくない人、そして気力と体力が充実していないひとなどなど、

以上に該当しない人には最高の読み物です、ケネディ兄弟なんかただの成り上がりの小せがれ、兄貴はただの女たらしで、弟はまあなかなか優秀な出っ歯だが、という視点で綴られるケネディ政権後期の政治サスペンス・アクション小説、文芸春秋がどういうつもりでエルロイ作品に「暗黒小説」という言葉をつかうのか?です、表に出ずらい人物達がたくさん登場する「暗黒街」小説と呼ぶべきでしょう、暗黒という文字が相応しいのはソ連や東ドイツやご近所の国を舞台にした話だとおもう、

本書は時系列順に短文を連ねる形式で読み進むうちに全体像が見えてるくる構造、よってたくさん登場する横文字の名前とともに読者によってはとても読み難いともいえ、読者を選びます、エルロイは初めてという読書家はロイド・ホプキンス・シリーズやブラック・ダリアから始めたほうが無難です、

アメリカン・ナイトメア  (2002-01-15)
アメリカ人はアメリカン・ドリームを心の底から本気で目指すよう、幼い頃から、徹底的に教育されるのだろう。限りない上昇志向ー現在でも16歳の試験で将来がほぼ決まってしまうイギリスがもつ、あきらめにも似た閉塞感を、彼らはこれっぽっちも持ち合わせてはいない。
そして「父親」という存在に異常なほど固執する。

この作品、表向きはみなさんが書かれているような、アメリカの暗黒史なのだろうが、読後僕が感じたのはこの「父性」だった。自分の父親に限らず、自分や自分のステイタスやアメリカという自分の国がもつ「父性」を彼らは追いかける。それはギャングのボスであったり、FBIの長官であったり、大統領だったりする。自らは手に入れられなかったアメリカン・ドリームを具現した彼らに、何とか取り入られよう、愛されようとする。それは幼い子どもが父親に抱いてくれーとせがむ姿に良く似ている。

これは「アメリカの子供たち」の物語だ。愛されない、受け入れられない、と気づいた彼らはものすごいスケールでの家庭内暴力を繰り広げはじめる。その負のエネルギーはどこから来るのだろう。それはアメリカン・ドリームへと彼らを駆り立てるものと正反対のベクトルをもつ、負のエネルギーなのだ。こういうエネルギーがアメリカを創ったのだなあ、と最近のテロ関連の出来事とあわせて、あらためて痛感させられた。エルロイの描くアメリカは、彼自身の愛憎の対象でもあるのだ。

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